スキル研修教材
AI / データサイエンス

新人SES営業向け AI・分析・データ領域の案件読解トレーニングです。技術講義ではなく、案件概要・スキルシート・登録面談・提案コメントで「この人を、どの案件に、どの強さで提案できるか」を判断するための教材です。

00 / First Map

新人営業がまず押さえる5点

細かい技術の前に、判断の軸を持ちます。ここを外すと、後の章を読んでも提案がズレます。

1

ひとつの職種ではない

AI / データ領域は、分析する人・モデルを作る人・基盤を作る人・可視化する人の集合です。

2

AI経験だけでは判断しない

趣味でChatGPTを触った人も、業務でモデルを本番運用した人も、同じ言葉を書くことがあります。

3

Python = AI人材ではない

PythonはWeb開発や自動化にも使われる汎用言語です。Pythonで何をしたかを確認します。

4

4軸で分ける

分析、モデル開発、データ基盤、生成AIは別物です。案件もスキルもこの4軸で仕分けます。

5

迷ったら面談で確認

わからないまま提案しないことが最大の事故防止です。確認は逃げではなく正しい仕事です。

01 / Why

この教材で判断できるようになること

案件概要を読み、スキルシートを分解し、面談で踏み込み、ミスマッチを防ぎ、提案コメントを書ける状態を目指します。

事故の原因は、言葉を分解しないこと

「AIやってました」を中身確認なしで機械学習案件に出す、Pythonが書けるだけの人をAI人材として出す、ChatGPT API利用をRAG構築と誤読する、分析者と基盤構築者を取り違える。これらは新人営業が起こしやすい典型例です。

ゴールは「この人を、どの案件に、どの強さで提案できるか」を自分で判断できることです。

営業向けポイント

技術を語れる必要はありません。表面の言葉を、案件適合の根拠に分解できることが重要です。

02 / Domain Map

AI / データ領域の主要職種

主要な7職種を、役割・技術・案件・提案しやすい人材・混同ポイントで整理します。生成AI / LLMエンジニアも独立した職種として見ます。

AI Engineer

AIエンジニア

AIを使った機能・システムを開発・実装する人の総称。実務ではAIを組み込んだアプリやAPIを作る人を指すことが多いです。

  • 技術: Python、MLライブラリ、AI API、クラウド
  • 案件: AI機能組み込み、画像・音声認識、生成AIプロダクト
  • 混同: モデルを作る人か、AIを組み込む人かを分解する
ML Engineer

機械学習エンジニア

機械学習モデルを設計・学習・実装し、本番システムで動かす人です。

  • 技術: PyTorch、TensorFlow、scikit-learn、MLOps、Docker
  • 案件: レコメンド、需要予測、異常検知、画像/NLPモデル
  • 混同: モデル作成と本番運用は別レベル
Data Scientist

データサイエンティスト

ビジネス課題に対し、統計・機械学習で分析し、示唆やモデルを出す人です。

  • 技術: Python、SQL、統計、機械学習、可視化
  • 案件: 顧客分析、離反予測、価格最適化、需要予測分析
  • 混同: 分析・示唆出しが軸で、本番実装中心とは限らない
Analyst

データアナリスト

データを集計・可視化し、ビジネスの示唆を出す人。機械学習モデルは作らないことが多いです。

  • 技術: SQL、Excel、Tableau、Power BI、Looker Studio
  • 案件: KPI分析、ダッシュボード運用、レポーティング
  • 混同: サイエンティスト案件に出すと事故りやすい
Data Engineer

データエンジニア

データを溜める・流す・整える基盤を作る人。分析やAIが動くための土台を作ります。

  • 技術: SQL、Python、BigQuery、Snowflake、Redshift、dbt、Airflow
  • 案件: データ基盤、パイプライン、DWH移行、ETL/ELT
  • 混同: データを使う人ではなく、作る側
BI Engineer

BIエンジニア

BIツールでダッシュボードやレポートの仕組みを設計・構築する人です。

  • 技術: Tableau、Power BI、Looker Studio、SQL、DWH連携
  • 案件: BI導入、ダッシュボード構築、レポート自動化
  • 混同: 見たことがある、作れる、運用できるは別
GenAI / LLM Engineer

生成AI / LLMエンジニア

ChatGPT / Claude / Gemini などのLLMやAPIを活用して、チャットボット、業務支援ツール、RAG、社内文書検索などを開発する人です。

  • 技術: OpenAI / Claude API、Azure OpenAI、Amazon Bedrock、Vertex AI、LangChain、LlamaIndex、ベクトルDB、Embedding
  • 案件: 生成AIアプリ開発、社内文書検索、RAG構築、問い合わせ自動化、ナレッジ検索
  • 混同: プロンプトを触っただけか、LLM APIを使ったか、RAGまで構築したかを分ける

主要職種 早見表(7職種)

スマホでは表を横にスクロールできます。

職種一言でいうとキーになるスキル
AIエンジニアAIを組み込む人(総称)モデル開発〜実装Python+ML/生成AI+開発力
機械学習エンジニアモデルを作って動かす人モデル開発・運用ML+エンジニアリング+MLOps
データサイエンティスト数字で示唆とモデルを出す人分析・モデル統計+ML+SQL+ビジネス理解
データアナリスト集計・可視化で示唆を出す人分析SQL+BI+統計基礎
データエンジニア基盤・パイプラインを作る人基盤SQL+DWH+ETL+クラウド
BIエンジニア可視化の仕組みを作る人可視化BIツール構築+SQL
生成AI / LLMエンジニアLLMで業務アプリ・RAGを作る人生成AILLM API+RAG+アプリ/API開発力

Figure 01 / 6職種ポジショニング(縦:つくる↔示す / 横:基盤↔活用)

↑ つくる・実装・運用(エンジニア寄り) ↓ 示す・説明・示唆(分析・ビジネス寄り) ← データ基盤をつくる ← データを活用・可視化する データエンジニア 機械学習エンジニア AIエンジニア 生成AI / LLM データサイエンティスト BIエンジニア データアナリスト
似た名前でも立ち位置は別。上=つくる/運用するエンジニア系、下=示す/分析するビジネス系、左=データ基盤をつくる側、右=データを活用・可視化する側。「分析する人・モデルを作る人・基盤を作る人・可視化する人」をこの4方向で掴む。

03 / Keywords

案件キーワードと技術・ツールの地図

キーワードは丸暗記ではなく、職種や案件タイプを連想するためのグルーピングで押さえます。

案件でよく出るキーワード

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キーワード営業が押さえる意味連想する職種・レベル
PythonAI/データ領域の共通言語。ただしWeb等でも使う汎用言語ほぼ全職種。単体ではAIの証明にならない
SQLデータベースからデータを取り出す言語アナリスト/サイエンティスト/エンジニア全般。深さを見る
統計データから傾向や法則を読む数学的手法サイエンティスト/アナリスト
機械学習(ML)データからパターンを学習し予測・分類する技術サイエンティスト/MLエンジニア
ディープラーニング(DL)画像・音声・言語など複雑な処理に強いMLの一分野MLエンジニア/AIエンジニア。専門性高め
生成AI / LLM文章・画像などを生成するAIと、その中核の大規模言語モデル生成AI/LLMエンジニア
RAG社内文書等を検索してLLMに答えさせる仕組み生成AIエンジニア。LLM API利用より一段上
プロンプトLLMへの指示文生成AI入門〜中級。単体では経験レベル低め
ベクトルDB / EmbeddingRAGで文書を意味検索するためのDBと、文章を数値化する処理RAG構築経験者
データ分析 / BI / ダッシュボード集計・解析・可視化で示唆を出すアナリスト/BIエンジニア
DWH / ETL / ELT / パイプラインデータを溜め、変換し、流す処理データエンジニア
MLOps / クラウド / APIモデル運用、実行環境、システム連携エンジニア系全般。中身を確認する
Azure OpenAIAzure上で使う企業向け生成AI。Microsoft環境と相性が強い生成AI/LLM(企業・Azure系)
Amazon BedrockAWS上で生成AIを使うサービス生成AI/LLM(AWS系)
Vertex AIGoogle Cloud上のAI/ML基盤ML/生成AI(GCP系)
Databricksデータ分析・基盤・AI活用を束ねる統合基盤データエンジニア/サイエンティスト
Spark大量データの分散処理データエンジニア寄り
SageMakerAWS上でMLモデルを作成・学習・運用MLエンジニア(AWS系)
MLflow機械学習モデルの実験・運用管理MLエンジニア / MLOps
Python

Pythonライブラリ

pandas / NumPy は基礎。scikit-learn 以上で機械学習の実務寄り、PyTorch / TensorFlow はディープラーニングの本格派です。

DWH

DWH・基盤

BigQuery / Snowflake / Redshift はDWH。dbt / Airflow まで出ると基盤を作る側の色が濃いです。

BI

BIツール

Tableau / Power BI / Looker Studio は可視化の道具。閲覧しただけか、構築したかを分けます。

GenAI

生成AI

OpenAI API / Claude API だけなら入門寄り。RAG、ベクトルDB、Embedding、LangChain / LlamaIndex が出ると本格的です。

Figure 02 / Python・SQL・BI・DWH・ML・生成AI・RAG の関係

データ基盤 / DWH / ETL / パイプライン分析・BI・機械学習・生成AIが使うための土台 データ売上・顧客・ログ SQL取り出す 分析 / MLPython・統計scikit-learn 等 可視化BI / ダッシュボードTableau・Power BI 生成AI / LLM → RAG ← ベクトルDB・EmbeddingLLM API利用とRAG構築は別レベル
DWHやETLが土台になり、SQLでデータを取り出し、Pythonで分析・機械学習、BIで可視化します。生成AIはLLM API利用と、検索基盤を含むRAG構築を分けて見ます。

Figure 03 / AI・機械学習・ディープラーニング・生成AIのざっくり関係

ざっくりの入れ子イメージ(厳密な分類ではありません) AI(人工知能) 機械学習(ML) ディープラーニング(DL) 生成AI / LLMChatGPT・Claude 等 生成AIの「深さ」— 右上ほど実務度が高い プロンプト指示文を書くだけ/入門 LLM API利用APIを呼ぶだけ/中級手前 RAG構築検索+ベクトルDB・Embedding
ざっくり理解では、AIの中に機械学習、その中にディープラーニングがあり、生成AI / LLMはその技術を活用した代表的な実務領域と捉えます。営業は厳密な分類より「どの技術領域の経験なのか」を確認することが大切。
右:同じ生成AIでも、プロンプト → LLM API利用 → RAG構築の順に実務の深さが上がります。

04 / Phase

案件フェーズ別の見方

同じAI / データ案件でも、フェーズによって必要な人材は変わります。案件概要がどのフェーズかを先に見極めます。

PoC

調査・PoCフェーズ

技術検証、プロトタイプ、仮説検証、精度確認が中心です。

  • 提案しやすい人: AI/データの知見があり、試行錯誤・検証ができる人
  • 注意: PoC経験だけで本番運用までできるとは限らない
Develop

開発フェーズ

API連携、RAG構築、モデル実装、データ連携、画面/API開発が中心です。

  • 提案しやすい人: AI知識に加え、Web/API/クラウド開発の経験がある人
  • 注意: AIだけでなくシステム開発力も必要
Run

本番運用フェーズ

監視、改善、障害対応、MLOps、セキュリティ、ログ管理が中心です。

  • 提案しやすい人: 運用・監視・改善まで経験がある人
  • 注意: モデルを作っただけの人では弱い可能性がある
Analyze

分析活用フェーズ

KPI設計、BI、レポート、意思決定支援が中心です。

  • 提案しやすい人: SQL、BI、分析、ビジネス部門との折衝ができる人
  • 注意: 高度なMLより、業務理解・説明力が重視されることがある

まずはここだけ押さえればOK

案件概要に「AI」と書いてあっても、PoCなのか、開発なのか、本番運用なのか、分析活用なのかで提案すべき人材は変わります。まず「どのフェーズか」を読み取ってから人を当てます。

05 / Job Ticket

よくある案件パターン9種

案件概要を見たときに「これは何案件か」を即判断し、誰を出せるかを考えます。

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案件概要で見るポイント提案しやすい人材注意すべき人材面談で確認
データ分析分析、示唆、レポート、KPIが中心SQL+BIで集計・可視化し説明できるアナリストモデル開発しかない研究寄り、ExcelのみでSQLが薄い人データ規模、SQL頻度、報告先、示唆まで出したか
BIダッシュボードTableau、Power BI、ダッシュボード構築、可視化指定BIツールでの構築経験者+SQLBIを見ていただけの人、指定ツール未経験者ツール、作成枚数、データソース、要件元、運用経験
データサイエンティスト分析、予測、統計、機械学習、具体的なビジネス課題統計・ML理解があり、業務でビジネス課題を分析した人BI・集計中心、Kaggleや独学のみの人課題、手法、データ、精度・成果、本番に乗ったか
機械学習モデル開発モデル開発、学習、推論、PyTorch/TensorFlow、本番組み込みモデルを作り本番に乗せたMLエンジニア分析止まり、LLM APIを呼んだだけの人モデル設計・学習、本番運用、フレームワーク、MLOps
生成AI / LLMアプリ生成AI、LLM、ChatGPT/Claude API、チャットボット、LangChainLLM APIアプリ開発+バックエンド/API開発力がある人プロンプトだけ、RAG必須にLLM API利用のみの人何を作ったか、APIだけか/RAGまでか、本番・評価改善
RAG構築RAG、社内文書検索、ベクトルDB、Embedding、LangChain/LlamaIndexベクトルDB・Embedding・検索精度調整まで経験した人LLM APIだけ、プロンプトだけの人ベクトルDB、Embedding理解、検索精度改善、データ量、運用
データ基盤構築データ基盤、DWH、BigQuery/Snowflake/Redshift、クラウドDWH・基盤を設計/構築/運用したデータエンジニア分析者、単発でツールを触っただけの人一から作ったもの、DWH種類、担当範囲
データパイプラインパイプライン、ETL/ELT、Airflow、dbt、データ連携ETL/ELTやパイプラインを実装・運用した人分析・可視化のみ、GUIで一度組んだだけの人データの流し方、ツール、障害対応、運用、データ量
MLOpsMLOps、モデル本番運用、CI/CD、モデル監視、再学習デプロイ・監視・再学習の仕組みを作った人モデルを作っただけ、一般インフラのみの人本番運用、CI/CD、コンテナ、監視・再学習、チーム規模

06 / Risk

AI / データ案件で営業が確認すべきリスク

AI案件は「作れるか」だけでなく、どのデータを扱い、本番利用か、責任範囲はどこまでかが重要です。

営業が確認するチェックリスト

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確認観点なぜ見るか / 何を聞くか
✓ 扱うデータ顧客データ・個人情報を扱う案件か。匿名化・マスキングの有無。
✓ 機密情報とLLM社内文書・機密情報をLLMに投入する運用か。外部送信の可否。
✓ 利用サービス指定OpenAI / Claude API、Azure OpenAI、Amazon Bedrock、Vertex AI など指定があるか。
✓ PoCか本番か検証段階か、本番運用か。求められる品質・責任範囲が変わる。
✓ 精度と評価AIの回答精度や評価指標を誰が見るのか。合否基準はあるか。
✓ リスク考慮誤回答、情報漏えい、著作権、ログ管理などの考慮が必要か。
✓ データ取扱い・体制データ取り扱いルールやセキュリティ部門との調整があるか。

まずはここだけ押さえればOK

AI案件は、作れるかだけでなく、どのデータを扱うか・本番利用か・責任範囲がどこまでかを確認することが重要です。「個人情報・社内文書を扱う」「本番運用」と分かったら、データ取り扱いとセキュリティを必ず確認します。

07 / Skill Sheet

スキルシートの読み方

AI / データ系のスキルシートは盛りやすいので、書かれた言葉を実態のレベルまで落とします。

Figure 04 / 「AI経験あり」は氷山の一角

氷山の図。水面上の小さな頂が「AI経験あり」、水面下の大きな部分に統計・分析、モデル構築、本番運用、RAGなどの担当範囲が隠れている AI経験あり 統計・データ分析 モデル構築(API利用と別) 本番運用・MLOps RAG・ベクトルDB
「AI経験あり」の一言は氷山の一角。水面下に、分析/モデル構築/API利用/本番運用/RAG…のどこを・どこまでやったかが隠れている。下のチェックリストで水面下まで分解する。

チェックリスト 11観点

観点確認すること
✓ AI経験の分解何をしたか、どの立場か、どこまでやったか。分析、モデル開発、API利用、PoC、本番運用を分ける。
✓ Python経験Pythonで何をしたか。pandas / scikit-learn / PyTorch 等のライブラリ名があるか。
✓ SQLの深さSELECTだけか、集計・結合・サブクエリ・ウィンドウ関数・性能設計までできるか。
✓ BIツール閲覧レベルか、ダッシュボード構築レベルか。作成枚数、データソース、運用有無を見る。
✓ 統計・ML理解手法を知っているだけか、使って成果を出したか。評価指標まで語れるか。
✓ モデル構築とAPI利用自分で学習させたモデル構築か、既存AI APIを呼んだだけかを分ける。
✓ 分析と基盤データを使う側か、溜める・流す土台を作る側かを分ける。
✓ Kaggle・個人学習意欲・基礎力の証明にはなるが実務経験ではない。実務と同列に扱わない。
✓ RAGとLLM APIRAGはベクトルDB・Embedding・検索設計を伴う。API利用だけとは別。
✓ クラウド・Docker・Gitクラウド、Docker、Git、チーム開発経験が本番案件の裏付けになる。
✓ ビジネス側との経験要件整理、報告、示唆を意思決定につなげた経験があるか。

混同しやすい境界

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対比左側右側営業の見方
API利用 vs モデル構築OpenAI API等を呼び出して使う自分でデータを学習させAIモデルを作る難易度も評価も別。AIを使ったとAIを作ったを混同しない。
分析 vs 基盤データを見て示唆を出すデータを溜める・流す土台を作る使う側か作る側かを必ず分ける。
RAG vs LLM API利用文書をベクトル化し検索してLLMに渡すChatGPT/Claude APIを呼んで回答を得るRAG必須案件にAPI利用だけの人を出すのは事故。

08 / Interview

登録面談で確認する質問

スキルシートの「?」を、面談で潰します。新人はこの質問リストをそのまま使えます。

共通質問

  • 直近の案件で、どんなデータを何のために扱いましたか?
  • メインで担当したのはどの部分ですか?
  • PoC止まりか、本番リリース・運用までいきましたか?
  • 使った言語・ツール・クラウドは何ですか?
  • ビジネス側とのやりとりはありましたか?
  • チーム開発でしたか、何人規模でしたか?

データアナリスト

  • SQLは集計・結合・ウィンドウ関数まで書けますか?
  • BIツールは閲覧、構築、運用のどこまで使いましたか?
  • 分析結果から示唆・提案まで出した経験はありますか?
  • 扱ったデータ規模はどのくらいでしたか?

データサイエンティスト

  • どんなビジネス課題を、どの統計/ML手法で解きましたか?
  • モデルの精度や成果はどう評価しましたか?
  • 分析止まりか、本番システムに組み込まれましたか?
  • データ前処理はどこまでやりましたか?

機械学習エンジニア

  • 自分でモデルを設計・学習させた経験を教えてください。
  • 使ったフレームワークは何ですか?
  • 本番環境にデプロイ・運用した経験はありますか?
  • クラウド・Docker・CI/CDの利用経験はどの程度ですか?

データエンジニア

  • どんなデータ基盤を一から構築しましたか?
  • 使ったDWHは BigQuery / Snowflake / Redshift のどれですか?
  • ETL/ELTやAirflow / dbtの構築経験はありますか?
  • 設計・構築・運用・障害対応のどこを担当しましたか?

BIエンジニア

  • どのBIツールで、どんなダッシュボードを何枚構築しましたか?
  • データソースは何で、SQLは自分で書きましたか?
  • 要件は誰から受け、運用・改善まで担当しましたか?
  • 複数ツールの経験はありますか?

生成AI / RAG

  • 生成AIで具体的に何を作りましたか?
  • LLM APIを呼んだだけですか、RAGまで構築しましたか?
  • RAGならベクトルDB・Embeddingは何を使いましたか?
  • 検索精度をどう上げましたか?
  • 本番リリースし、ユーザーが使う状態まで持っていきましたか?

09 / Level

レベル判定 △ / ○ / ◎

△はダメではなく、その記載だけでは弱い、面談で確認が必須という意味です。

スマホでは判定表を横にスクロールできます。

職種弱い提案しやすい強く出せる
データアナリストExcelのみ/BI閲覧だけ/SQLは簡単なSELECTのみSQLで集計・結合、BIでダッシュボード構築。分析レポート作成示唆・提案で意思決定に貢献。大規模データ・複数部署連携
データサイエンティストKaggle・独学のみ/統計やML知識のみ/集計中心でモデルなし業務で統計/ML分析。SQL自走、前処理〜モデル構築モデルが本番に乗り成果が出た。複数案件、ビジネス貢献を数字で説明
機械学習エンジニアLLM APIを呼んだだけ/チュートリアルレベル/本番未経験業務でモデルを設計・学習し本番システムに組み込み。クラウド・Docker利用MLOps構築、大規模・高難度モデル、チームリード
データエンジニアデータを使う側のみ/GUIで一度パイプライン/SQLが浅いクラウド上でDWH・基盤を構築・運用。ETL/ELT実装。SQL強い基盤を一から設計。大規模データ、dbt・Airflow本格運用、障害対応・最適化
BIエンジニアBI閲覧だけ/無料ツールで簡単なグラフ/SQL未経験Tableau / Power BI 等でダッシュボード構築。SQLでデータソースを扱い運用要件定義から運用改善まで一気通貫。複数ツール、全社BI基盤の推進
生成AI / RAGプロンプトを試した/ChatGPT個人利用/LLM APIを一度呼んだだけLLM APIで業務アプリ・機能を開発。プロンプト設計、評価・改善RAGをベクトルDB・Embeddingまで構築。検索精度チューニング、本番運用

10 / Mismatch

営業がやりがちなNG提案

現場で起きやすいミスマッチを、なぜ危ないか、どう確認するかまでセットで覚えます。

スマホでは表を横にスクロールできます。

よくあるNG提案なぜ危ないかどうする
「AI経験あり」だけで強く提案自己申告の幅が広く、中身が伴わないことがある何を・どの立場で・どこまでの3軸で分解する
Python経験者をAIエンジニアとして提案PythonはWeb・自動化など汎用で、AIの証明ではないscikit-learn / PyTorch 等と、AIで何を作ったか確認
Kaggleや個人学習のみを実務AI人材として提案実務の汚いデータ、調整、運用、納期の経験がない業務適用経験を確認。なければポテンシャル枠として正直に提案
SQLとBI中心の人をデータサイエンティストとして提案集計・可視化と、統計/MLによる予測は別スキル統計・MLの実務経験を確認。なければアナリスト案件へ
LLM API利用を機械学習モデル開発と混同AIを使ったとAIを作ったは別物自分でモデルを学習・構築したか確認
プロンプト経験だけでRAG構築経験ありと判断RAGはベクトルDB・Embedding・検索設計を伴うベクトルDB、Embedding、検索精度改善を確認
Tableau経験だけでデータ基盤案件に提案BIは可視化、データ基盤は土台構築DWH・ETL・クラウドでの基盤構築経験を確認
分析経験者をデータエンジニア案件にそのまま提案分析は使う側、エンジニアは作る側基盤・パイプライン構築経験があるか確認
研究寄りAI人材を業務システム開発に確認なしで提案研究と業務開発では、納期・チーム・本番運用の要求が違う業務システム開発、チーム開発、本番運用の経験と意向を確認
PoC経験だけで本番運用フェーズの案件に強く提案検証と、監視・改善・障害対応の本番運用は別フェーズ運用・監視・MLOps・セキュリティの経験を確認
個人情報・社内文書を扱う案件で取り扱いを確認しない情報漏えい・外部送信・著作権・ログ管理のリスクがある扱うデータ、利用サービス指定、セキュリティ部門調整を確認

11 / Practice

案件読解演習

案件と候補者を読み、提案可否、理由、追加確認を考えます。

演習1: データ分析案件 × アナリスト候補

SQL・Tableau実務が必須を満たすか

案件概要 / 必須・尚可

  • 大手ECのマーケティング部門
  • 購買データ分析、KPIダッシュボード運用
  • 必須: SQL、Tableau構築、ビジネス側への報告
  • 尚可: 統計基礎、Python(pandas)

候補者

  • 事業会社で2年
  • SQLで売上集計
  • Tableauで月次KPIダッシュボードを運用
  • マーケ担当に報告。Pythonは独学レベル

問い: この候補者を提案できるか。追加確認は何か。

回答・判断理由・追加確認を見る

○(提案できる)。必須のSQL、Tableau構築、報告を実務で満たします。Pythonは尚可なので弱くても致命的ではありません。Tableauの構築規模、SQLの複雑度、施策提案まで踏み込んだかを確認します。

演習2: 機械学習モデル開発案件 × 生成AI触っただけ候補

LLM API利用をMLモデル開発とみなせるか

案件概要 / 必須・尚可

  • 製造業の需要予測モデル開発
  • 本番システムに組み込み・運用
  • 必須: PythonでMLモデル開発、デプロイ、クラウド・Docker
  • 尚可: MLOps、製造業ドメイン知識

候補者

  • Web系エンジニア3年
  • ChatGPT APIで社内チャットボットを個人試作
  • 機械学習モデルの構築・本番運用経験なし

問い: このまま提案できるか。別案件なら何を検討するか。

回答・判断理由・追加確認を見る

×(このままでは提案不可)。必須の機械学習モデル開発と本番運用がありません。LLM API利用は需要予測モデル開発とは別物です。機械学習モデルの学習・構築経験を確認し、なければ生成AIアプリ開発など別案件を検討します。

演習3: RAG構築案件 × LLM API利用候補

OpenAI API経験だけでRAG必須に出せるか

案件概要 / 必須・尚可

  • 社内文書検索の生成AIアシスタント
  • RAG構築・精度改善が中心
  • 必須: RAG、ベクトルDB・Embedding、LLM API、Python、本番運用
  • 尚可: LangChain / LlamaIndex

候補者

  • バックエンドエンジニア4年
  • OpenAI APIで要約機能を実装
  • ベクトルDBやEmbeddingは名前のみ、構築経験なし

問い: 提案可否と、面談で確認すべき点は何か。

回答・判断理由・追加確認を見る

△(要確認。このままでは弱い)。LLM API利用はありますが、RAGの核であるベクトルDB、Embedding、検索が未経験です。RAG理解度、自習経験、学習意欲、顧客がポテンシャル採用を許容するかを確認します。

演習4: データ基盤構築案件 × 分析者候補

BigQueryを使う経験を基盤構築とみなせるか

案件概要 / 必須・尚可

  • BigQueryでデータ基盤を構築
  • 各システムからETLで集約、dbtで変換管理
  • 必須: DWH構築、ETL/ELT、高度SQL、dbt or Airflow
  • 尚可: データモデリング、Terraform等のIaC

候補者

  • データアナリスト3年
  • BigQueryで分析クエリは日常的に書く
  • 基盤構築やETL/dbtでの整備は未経験

問い: 基盤構築案件として提案できるか。何を確認するか。

回答・判断理由・追加確認を見る

×〜△(基盤構築としては不可、要確認)。BigQueryを使う経験はありますが、作る・整える経験がありません。ETL/dbt/パイプライン構築、基盤設計への関与、本人がエンジニア側へ移行したい意向を確認します。

演習5: 本番運用フェーズ案件 × PoC経験のみ候補

PoC経験だけで本番運用案件に出せるか

案件概要 / 必須・尚可

  • 生成AIチャットの本番運用・改善
  • 監視、障害対応、ログ管理、セキュリティ対応
  • 必須: 本番運用・監視・改善、クラウド、MLOpsの素養
  • 尚可: RAG運用、セキュリティ部門との調整経験

候補者

  • 事業会社で生成AIのPoCを担当
  • 精度検証・プロトタイプ作成は経験あり
  • 本番運用・監視・障害対応は未経験

問い: 本番運用案件に提案できるか。何を確認するか。

回答・判断理由・追加確認を見る

△〜×(このままでは弱い)。PoC経験と本番運用は別フェーズです。監視・改善・障害対応・ログ管理・セキュリティの経験を確認し、なければ調査・PoCフェーズの案件を検討します。扱うデータや本番の責任範囲への理解も合わせて確認します。

12 / Proposal

提案コメント例

提案コメントは、過大表現せず、強みと確認済みの事実で刺すことが重要です。

提案時の注意点

  • 誇張せず、確認済みの事実を書く
  • 「経験があります」で止めず、何をどこまで担当したかを書く
  • 分析・モデル・基盤・生成AIのどの軸かを明確にする
  • 不足がある場合は、ポテンシャルやキャッチアップ前提として正直に補足する
  • PoCか本番運用か、扱うデータ(個人情報・社内文書)とセキュリティ前提を明確にする
  • 顧客にそのまま送れる粒度で、強みと案件適合理由を添える

コメント例

データ分析 / BI本人は事業会社のマーケティング部門で2年間、SQLでの売上・購買データ集計と、Tableauでの月次KPIダッシュボード構築・運用を担当してまいりました。分析結果から施策の改善提案まで行い、事業側の意思決定に貢献した経験があります。
データサイエンティスト小売業界にて、統計・機械学習を用いた離反予測・需要予測の分析を複数案件で経験しております。SQLでのデータ抽出から前処理・モデル構築まで自走し、分析結果はビジネス指標の改善につながりました。
機械学習エンジニアPython(scikit-learn / PyTorch)を用いたモデル開発を業務で担当し、構築したモデルをクラウド(AWS)上の本番システムへデプロイ・運用した実績があります。MLOpsの整備経験もございます。
データエンジニアGCP / BigQuery上でのデータ基盤構築を一から手がけ、ETL/ELTでの集約、dbtによる変換管理、Airflowでのパイプライン運用まで担当してまいりました。
生成AI / RAGLLM(OpenAI / Claude API)を活用した社内向けアシスタントの開発を担当し、社内文書を対象としたRAG構築、ベクトルDB・Embeddingの実装、検索精度のチューニングから本番リリースまで経験しております。

13 / Check

確認テスト

選択式、○×、記述、ケース判断を混在させています。解いてから解説を確認します。

1. 「データを集計・可視化し、現状の示唆を出すことが中心で、機械学習モデルは作らないことが多い」職種は?
答え: B. データアナリスト

集計・可視化・示唆が中心なのがデータアナリスト。モデルで予測まで踏み込むのがサイエンティストです。

2. 「Python経験あり」と書いてあれば、AIエンジニアとして提案してよい。○か×か。
答え: ×

PythonはWeb・自動化等の汎用言語です。何を作ったか、ライブラリや成果物を確認します。

3. ChatGPT APIでチャット機能を作った経験は、機械学習モデル開発経験と同等とみなせる。○か×か。
答え: ×

API利用は「AIを使った」、モデル開発は「AIを作った」。難易度も評価も別物です。

4. RAG構築経験者かを見るとき、特に注目すべきキーワードは?
答え: B. ベクトルDB・Embedding

RAGはベクトルDB・Embedding・検索が核です。LLM API利用だけならRAG経験者とは言いにくいです。

5. データアナリストを、そのままデータエンジニア案件に提案してよい。○か×か。
答え: ×

分析は使う側、エンジニアは作る側です。基盤構築経験を確認します。

6. データエンジニア案件を最も強く連想させるキーワードの組み合わせは?
答え: C. BigQuery・dbt・Airflow・ETL

DWH、dbt、Airflow、ETLはデータ基盤/パイプラインの領域です。

7. スキルシートに「AI経験あり」とだけ書かれていた。面談で何を確認すべきか3点挙げよ。
解答例:

何をしたか(分析/モデル開発/API利用)、どの立場か(メイン担当か一員か)、どこまでやったか(検証止まりか本番運用か)。

8. 「Tableau経験あり」と書く2人の候補者を、どう区別して評価すべきか。
解答例:

閲覧しただけか、ダッシュボードを構築・運用したかで価値が大きく異なります。構築枚数、データソース、SQLの有無、運用経験を確認します。

9. RAG必須案件に、OpenAI APIで要約機能を作ったがベクトルDB未経験の候補者がいる。どう対応するか。
解答例:

そのままRAG経験者として強く提案しません。RAG理解度、ベクトルDBの自習状況、学習意欲、顧客のポテンシャル許容を確認します。

10. Kaggle上位入賞、独学中、実務AI開発なしの候補者を、実務ML案件に提案してよいか。
答え: 基本は不可

Kaggle・独学は基礎力の証明ですが実務経験ではありません。ポテンシャル枠なら正直に提案します。

11. データサイエンティスト案件で最も提案しやすいのは?
A:SQL/Tableau集計2年
B:統計・MLで離反予測モデル構築
C:ChatGPTを個人利用
D:BigQuery基盤構築
答え: B

統計・MLでモデルを作り課題を解いた実務経験が要件に合います。Aは集計中心、Dは基盤側、Cは対象外です。

12. 生成AIのPoC(精度検証)経験がある候補者を、本番運用・監視まで必須の案件に強く提案してよい。○か×か。
答え: ×

PoCと本番運用は別フェーズです。監視・改善・障害対応・MLOps・セキュリティの経験を確認し、なければ強く提案しません。

13. 社内文書をLLMで検索する案件(RAG)。営業が確認すべきリスク観点を2つ挙げよ。
解答例:

機密情報を外部API(OpenAI等)へ送る運用か、利用サービスの指定(Azure OpenAI / Bedrock / Vertex AI 等)があるか、データ取り扱いルールやセキュリティ部門との調整、PoCか本番運用か、など。あわせて、ベクトルDB・Embedding・検索精度改善までの経験も確認します。

14 / Summary

まとめ

技術を語れる必要はありません。最終的に「この人を、どの案件に、どの強さで提案できるか」を自分の言葉で説明できる状態を目指します。正しく見極めて正しくつなぐことが、営業としての価値になります。

案件概要

AI / データはひとつの職種ではありません。分析・モデル開発・基盤・生成AIの軸と、PoC/開発/運用/分析のフェーズで読み分ける。

スキルシート

「AI経験あり」「Python経験あり」を言葉のまま信じず、何を・どの立場で・どこまでやったかに分解する。

面談

△ / ○ / ◎ の目安に当て、弱い記載は面談で確認する。わからないまま提案しない。

提案

分析と基盤、使ったと作った、LLM API利用とRAG構築を混同しない。誇張せず、確認済みの事実と強みで書く。